いざ、業者さんから住まいのサイディング外壁に対し、劣化や寿命を指摘されても、
「本当に寿命なの?」
「サイディングの寿命の目安は何年なの?」
「そもそもサイディングって何?」
といまいちピンとせず、このように思ってしまう人も少なくないのではないでしょうか?
まずサイディング外壁とは、ひと昔前に主流であったモルタル外壁に代わって、近年多くの住まいで採用されている外壁材の一種であり、特徴はモルタル外壁に比べて防火性や耐震性といった耐久性に優れている点が挙げられます。そんな優れたサイディング外壁であっても、やはり年数経過による劣化は防げませんし、一般的な寿命は40年前後と言われています。そのため外壁そのものや塗装の状態、さらに目地に施されたコーキングの状態までよく観察して、必要に応じたメンテナンスをすることが長持ちさせる上で大切になってきます。今回のお役立ちコラムでは、サイディング外壁の種類や特徴、メンテナンスの目安などについて解説していきます。
Contents
サイディングとは?
サイディングとは冒頭でもお伝えした通り、過去に主流だったモルタル外壁材に代わって、今では新築の7割で採用されている人気の外壁材です。モルタルと比べ施工の手間もかからず、施工期間自体が短く済む、施工費用が抑えられるといった多くのメリットがあることから今ではこのサイディングが主流となっています。
一見メリットだらけのこのサイディング外壁ですが、長持ちさせるにはやはり定期的なメンテナンスが必要になります。サイディング外壁は、耐久性こそ優れていますが、雨水や紫外線などの影響を受け、やがて劣化していき最終的には雨水を吸い込むようになってしまうのです。では次にサイディングの種類とそれぞれの特徴、メンテナンス時期の目安について見ていきましょう。
サイディング外壁の種類と特徴、メンテナンス時期
サイディング外壁には主に次の4種類があります。
1・窯業系サイディング
サイディングの中で最も使用されているのが、窯業系サイディングです。
セメントと繊維材を材料としているこの窯業系サイディングの魅力は、何と言っても選べるデザインの種類が豊富なことです。しかも頑丈で、耐震性・耐火性が優れ、メンテナンスにおいても、補修や張り替えが比較的容易であることから選ばれることが多い外壁材です。
優秀なサイディング外壁材ではありますが、紫外線などの影響で劣化していくことで、製造時に表面に塗られた塗料の撥水性能が落ちていき、やがてサイディング自体にもコケやサビの発生といった劣化症状が生じてしまい、これらをさらに放置してしまう事でサイディングの寿命そのものが短くなってしまいます。
そのため、塗料が劣化してくる築7~10年で塗装によるメンテナンスが必要になってきます。
2・金属系サイディング
金属系サイディングは、金属の素材で出来たサイディングです。
その多くが断熱材一体型であり、断熱性に優れる、耐凍害性があるといった特徴のほか、
他の外壁材と比べて非常に軽量です。そのため、地震の発生時は、揺れ幅を減少させて建物の倒壊やひび割れなどといった家への負担を大きく軽減してくれます。
金属なので、水を吸ってしまう事もなく、窯業系サイディングよりもメンテナンスの時期は遅いです。
ただし、傷がついてしまう事でサビが発生したり、経年劣化によって色褪せや塗装面に
チョーキング現象が起こるので、10~15年でメンテナンスが必要になります。
3・樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは主原料が塩化ビニール樹脂で出来ている為、雨風に強く耐腐食性に優れています。
色は塗装でついているわけではなく、原料自体に顔料を練りこんでいるので、
色褪せや塗装の剥がれがほぼありません。
しかし施工費用が高額であることと、職人が少ないことから日本でのシェア率は現状ではまだ低いです。
メンテナンスの時期は10~20年ほどですが種類によっては30年保証が出ているものもあるようです。
4・木質系サイディング
天然の木材の表面に塗装を施した外壁材が木質系のサイディングです。
木のぬくもりや質感を感じられるので、おしゃれな店舗などに使用されていることが多いです。
断熱性にこそ優れていますが、もともと吸水性が高い木なので他のサイディングに比べ劣化しやすくメンテナンス時期は8~10年ほどです。塗料が劣化してきたら、サイディング自体が劣化する前に再塗装が必要となります。
サイディング外壁の耐用年数やメンテナンス時期の目安
サイディングの耐用年数は、いずれの種類も最大で約40年前後です。ただし、その間にも塗料の塗り替えや、コーキングの打ち直しといったメンテナンスを定期的にする必要があります。
サイディング塗料の劣化症状
サイディングの表面に施されている塗装は、時間の経過によって劣化していきます。下記のような症状が現れた場合には、塗料の塗り替えを検討する時期と言えます。
色あせ
壁の色が薄くなる現象。紫外線や風雨などの自然現象が原因です。
チョーキング・塗装の剝がれ
塗料の耐久性が低下し、劣化することでサイディングを直接触った時に、塗料に含まれていた顔料が粉となり付着する現象です。
このチョーキングが起き始めたら、サイディングそのものが劣化しないよう塗装をするべきでしょう。
サイディング間のコーキングの劣化やひび割れ
まずサイディング外壁は取り付け時、サイディングボード同士を繋ぎ合わせる際に、
コーキングというゴム材を注入しています。
このサイディング間のコーキング材はゴム材なので雨水や紫外線に当たることによって、
当然固くなったり縮れたりといった劣化症状がでてきます。
このコーキングの経年劣化が塗料の劣化と同様の注意が必要なんです。
コーキングは、本来揺れなどの衝撃を吸収する緩衝材としての役割もあるので、硬くなって縮れてきてしまうと、その役割も果たせなくなります。
また、コーキングが劣化して隙間が出来ると、その隙間から外壁の内側に雨が浸水し、サイディングや内部も傷んでしまうので、コーキングが固くなってひび割れが入ってきたら、雨漏りの原因となってしまう前に交換工事が必要です。
カビやコケの繁殖
日当たりが悪い壁には、カビが発生します。これは、塗料の防水性が低下していることが原因です。また、金属系サイディングの塗膜が剥がれたところには、サビが発生しやすくなります。
まとめ
最後に、外壁サイディングの寿命(耐用年数)や長持ちさせるために重要なメンテナンスについてまとめます。
- サイディングには窯業系、金属系、木質系、樹脂系の4種類があり、寿命(耐用年数)は最大でも40年前後である。
- 劣化症状があるのにメンテナンスをしないで放置してしまうと寿命(耐用年数)が短くなることがある。
- 劣化症状のサインは、塗料の色あせ、カビやコケの繁殖、チョーキング現象、塗膜の剥がれ、ひび割れ、コーキング材の劣化などがある。
- 長持ちさせるには洗浄、塗装、コーキング材の打ち直しや補修、重ね張り、張り替えなどのメンテナンスが必要不可欠!
いかがでしたか?サイディングや塗装の劣化はわりと可視化できるものが多いいんです。劣化を見つけたらすぐにメンテナンスしなければいけないところを、早期に見極め、劣化症状に対し適切な対処をすることがサイディングの寿命を最大限まで長持ちさせることに繋がり、結果として大切なお住まいそのものを守ることになるのです。